救急車は有料になるの?『選定療養費』との違いを3分で解説【誤解をなくす】

日本の消防の救急車は利用料がかかりません(無料)

一方でニュースなどで耳にするお金の話は、病院で支払うことがある『選定療養費』という別の仕組みです。

ここを混同すると「救急車が有料になった?」という誤解が生まれます。

この記事では、救急車の無料選定療養費の違いを、最短でスッキリ整理します。

目次

1. ここだけ覚えればOK(要点まとめ)

  • 救急車(消防)呼ぶのは無料
  • 選定療養費(病院の制度)紹介状なしで大きな病院を受診する等のときに、初診料などとは別にかかることがある追加料金。救急車の料金ではありません。
  • 民間の搬送(民間救急・介護タクシー等)有料。タクシーのように運賃等が必要です(緊急走行はしません)。
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2. 「選定療養費」ってなに?

  • 目的:大病院へ患者さんが集中しすぎないようにして、まずは身近な医療機関(かかりつけ医)
      →必要に応じて紹介で大病院へという流れを保つための仕組み。
  • しくみ:対象の病院で紹介状なしに受診すると、健康保険の自己負担とは別に
       病院ごとに決めた特別の料金(選定療養費)を支払う場合があります。
  • ポイント:金額や運用は病院ごと・地域ごとに違うため、受診先の“公式案内”を確認しましょう。

関連: 救急車「有料化」の最新動向と実際の影響を図解【2025年版】

3. 「救急車で行けばお金がかかる?」の正解

  • 救急車を呼ぶこと自体は無料です。
  • 病院での支払いは医療費(診療費)で、状況によって選定療養費が発生することがあります。
  • ただし、明らかに緊急の状態で搬送された場合などは、選定療養費の対象外とする運用が一般的です。
  • まとめると:
    救急車=無料病院の窓口で支払うお金=診療費+場合によって選定療養費
    これは「救急車の有料化」ではありません。

4. 迷ったら「#7119(救急安心センター)」へ

「今すぐ119番? 自分で受診?」と迷ったら、#7119に電話。

看護師等が症状を聞き、受診の目安や救急車の要否を助言してくれます。

24時間対応の地域が多い仕組みです。

※ただし地域により運用が異なります。緊急時はためらわず119番へ。

5. 一目でわかる「ちがい表」

項目消防の救急車選定療養費(病院の制度)民間の搬送(民間救急・介護タクシー等)
お金無料(利用料なし)かかることがある(病院ごとに設定)有料(運賃・介助料など)
だれに払う?なし病院事業者
目的命を守る緊急搬送受診の適正化(紹介状なし等への追加料金)移動手段の提供(緊急走行なし)
緊急時の119番大病院を紹介状なしで受診付き添いが必要な通院・退院の移動

6. よくある質問(Q&A)

Q1. 救急車を呼ぶだけでお金はかかる?
A. かかりません。救急車(消防)は利用料が不要です。

Q2. 「救急車が有料化した」と聞いたけど?
A. 多くは病院側の『選定療養費』の話です。救急車そのものの料金ではありません。

Q3. 救急車で運ばれたら、必ず選定療養費がかかる?
A. 必ずではありません。緊急性の高い受診などは対象外の運用が一般的です。
 最終的には病院の規定に従います。

Q4. 緊急じゃないけど、寝たまま移動したい。
A. 民間の搬送サービス(民間救急・介護タクシー等)をご検討ください。
 有料です。内容や料金は事業者ごとに異なります

Q5. 呼ぶべきか迷うときは?
A. #7119に相談。緊急時は119番へ。

7. 家族で共有したいポイント

  • 緊急時はためらわず119番
  • 迷ったら#7119で相談。
  • ふだんからかかりつけ医を持ち、必要に応じて紹介状で受診する流れを意識。
  • 受診先の公式案内で、選定療養費の有無や金額を確認しておくと安心。

さいごに

この記事は、自治体・病院・関係機関の公開情報をもとに、誤解が起きやすい点を整理したものです。

地域や病院で運用が異なるため、最終的な扱いは受診先の案内に従ってください。

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この記事を書いた人

高校3年で「安定していそう」という理由から国家三種を受験し、合格。
高校卒業後に入職したのは、ちょうど郵政組織が「公社化」へ移行するタイミングでした。
受験時は国家公務員として受けたつもりが、気づけば郵政公社。
制度の変化もよく分からないままのスタートでした。

その後、「もっと現場で人の役に立ちたい」との思いから消防職員に転職。
救急隊員として十数年、命の最前線で活動してきました。
多くの現場を経験する中で、「働くこと」「人生の選択」について深く考えるようになり、現在は民間企業に転職しています。

このブログでは、公務員試験や公務員としての実情、そしてその後のキャリア選択について、実体験をもとに発信。
救急や消防のリアルを知ってもらうことで、救急車の適正利用や防災意識の向上につながれば とも願っています。

公務員という“安定した仕事”の内側や、そこからの転職に悩む人にとって、少しでもヒントや勇気になれば嬉しいです。

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