日本の消防の救急車は利用料がかかりません(無料)。
一方でニュースなどで耳にするお金の話は、病院で支払うことがある『選定療養費』という別の仕組みです。
ここを混同すると「救急車が有料になった?」という誤解が生まれます。
この記事では、救急車の無料と選定療養費の違いを、最短でスッキリ整理します。
1. ここだけ覚えればOK(要点まとめ)
- 救急車(消防) … 呼ぶのは無料。
- 選定療養費(病院の制度) … 紹介状なしで大きな病院を受診する等のときに、初診料などとは別にかかることがある追加料金。救急車の料金ではありません。
- 民間の搬送(民間救急・介護タクシー等) … 有料。タクシーのように運賃等が必要です(緊急走行はしません)。

2. 「選定療養費」ってなに?
- 目的:大病院へ患者さんが集中しすぎないようにして、まずは身近な医療機関(かかりつけ医)
→必要に応じて紹介で大病院へという流れを保つための仕組み。 - しくみ:対象の病院で紹介状なしに受診すると、健康保険の自己負担とは別に、
病院ごとに決めた特別の料金(選定療養費)を支払う場合があります。 - ポイント:金額や運用は病院ごと・地域ごとに違うため、受診先の“公式案内”を確認しましょう。
関連: 救急車「有料化」の最新動向と実際の影響を図解【2025年版】
3. 「救急車で行けばお金がかかる?」の正解
- 救急車を呼ぶこと自体は無料です。
- 病院での支払いは医療費(診療費)で、状況によって選定療養費が発生することがあります。
- ただし、明らかに緊急の状態で搬送された場合などは、選定療養費の対象外とする運用が一般的です。
- まとめると:
救急車=無料/病院の窓口で支払うお金=診療費+場合によって選定療養費。
これは「救急車の有料化」ではありません。
4. 迷ったら「#7119(救急安心センター)」へ
「今すぐ119番? 自分で受診?」と迷ったら、#7119に電話。
看護師等が症状を聞き、受診の目安や救急車の要否を助言してくれます。
24時間対応の地域が多い仕組みです。
※ただし地域により運用が異なります。緊急時はためらわず119番へ。
5. 一目でわかる「ちがい表」
項目 | 消防の救急車 | 選定療養費(病院の制度) | 民間の搬送(民間救急・介護タクシー等) |
---|---|---|---|
お金 | 無料(利用料なし) | かかることがある(病院ごとに設定) | 有料(運賃・介助料など) |
だれに払う? | なし | 病院 | 事業者 |
目的 | 命を守る緊急搬送 | 受診の適正化(紹介状なし等への追加料金) | 移動手段の提供(緊急走行なし) |
例 | 緊急時の119番 | 大病院を紹介状なしで受診 | 付き添いが必要な通院・退院の移動 |
6. よくある質問(Q&A)
Q1. 救急車を呼ぶだけでお金はかかる?
A. かかりません。救急車(消防)は利用料が不要です。
Q2. 「救急車が有料化した」と聞いたけど?
A. 多くは病院側の『選定療養費』の話です。救急車そのものの料金ではありません。
Q3. 救急車で運ばれたら、必ず選定療養費がかかる?
A. 必ずではありません。緊急性の高い受診などは対象外の運用が一般的です。
最終的には病院の規定に従います。
Q4. 緊急じゃないけど、寝たまま移動したい。
A. 民間の搬送サービス(民間救急・介護タクシー等)をご検討ください。
有料です。内容や料金は事業者ごとに異なります。
Q5. 呼ぶべきか迷うときは?
A. #7119に相談。緊急時は119番へ。
7. 家族で共有したいポイント
- 緊急時はためらわず119番。
- 迷ったら#7119で相談。
- ふだんからかかりつけ医を持ち、必要に応じて紹介状で受診する流れを意識。
- 受診先の公式案内で、選定療養費の有無や金額を確認しておくと安心。
さいごに
この記事は、自治体・病院・関係機関の公開情報をもとに、誤解が起きやすい点を整理したものです。
地域や病院で運用が異なるため、最終的な扱いは受診先の案内に従ってください。
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