【第2話:背景編】「なんか変だな」と思いながら働き続けた——適応障害の始まりは“違和感”だった

転職して間もない頃から、「この環境はちょっと自分に合わないかもしれない」と感じる場面が少しずつ増えていきました。

私が勤めていたのは、身内が関わる小規模な企業

少人数で運営している職場だからこその温かさがある反面、曖昧さや属人的なやり方も多く、すぐに不安を覚えました。

目次

■ 安全や働き方に対する価値観のズレ

以前は、人の命に関わる現場で仕事をしていたこともあり、「安全管理」や「段取り」はとても重視してきました。

ですがこの職場では、作業のリスクに対する意識が薄く、「まぁ大丈夫だろう」といった感覚で進む場面も少なくありませんでした。

また、作業内容の説明がないまま急に現場に向かわされる、明確な休憩時間がない、勤務時間が不規則…そんな日々が続き、次第に疲労と不安が積み重なっていきました。

■ 指示が場当たり的で相談できる人もいない

少人数の現場だからこそ、すべてが自己責任で動いているような感覚がありました。

聞いていないことでも「やって当たり前」と言われる、

確認しても「そんなの知らないの?」という雰囲気で返される——

何が正解かもわからず、不安を抱えたまま現場を回る日々。

「相談できる人がいない」「話しても無駄かもしれない」

そんな思いが、心の負荷となっていったのだと思います。

■ 運転すること自体がストレスになった

仕事の一環として、会社の車を使って現場に向かうことも多かったのですが、

自分の車ではないものを運転するプレッシャーや、

慣れないナビ操作、知らない土地を走る不安が常につきまとっていました。

さらに、車に乗っている上司の携帯電話に頻繁に着信が入り、ナビ画面がその都度見えなくなることで、

「間違えたらどうしよう」「何か言われるかもしれない」というストレスが増していきました。

■ 「やりがいが感じられない」という本音

働き始めてからずっと感じていたのは、「この仕事にやりがいを見出せない」という感覚でした。

仕事の内容に魅力を感じることができず、

「これを続けたい」と思えたことが一度もなかったのが正直なところです。

少人数の組織だからこそ、自分が辞めづらい雰囲気もあり、そのことがまた新たなストレスを生んでいきました。

■ 「違和感」は、やがて「限界」に変わった

最初は小さなモヤモヤだったのが、

数ヶ月たつ頃には、「職場に行くことそのものが負担」になっていました。

  • 朝から胃が痛い
  • 頭が重く、集中力が続かない
  • 寝つきが悪く、夜中に目が覚める
  • 急に不安になって吐き気がする
  • 電話の音に心臓が跳ねるような感覚がある

日々、自分でも「おかしいな」「おかしいな」と感じながらも、

周囲の目や立場を気にして言い出せずにいたのです。

■ 次回予告

次の記事では、『受診を決意した瞬間』について書きます。

土日などの休みの日までも体調不良が続き、ついには運転中の危険な行動が続いた——

もう限界だ」と感じた日のことを、正直に綴っていこうと思います。

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