国家Ⅲ種を高卒で受けた話|なぜ私は郵政公社に入ったのか?

「大学に行かず、消防士を目指す」──そう決めた高校時代。

でも現実はそう簡単ではありませんでした。

第一志望だった消防官試験には不合格。

そのとき私は、「滑り止め」や「経験を積む」という意味でも受けられる公務員試験を幅広く受けていたんです。

その中のひとつが、国家Ⅲ種郵政事務試験でした。

目次

滑り止めとしての国家Ⅲ種郵政事務試験

本命はあくまで“消防官”でしたが、「まずは社会に出る経験を積もう」と考えた私は、複数の公務員試験にエントリーしていました。

もちろん、「滑り止め」という響きは失礼かもしれません。

でも当時の自分にとっては、“試験慣れする”ことや“公務員としての最初の一歩を踏み出す”ことが目的でもありました。

国家Ⅲ種郵政事務試験はその中の一つ。

正直、深く仕事内容を調べることもなく、ただ「受けられる試験を受けよう」という感覚だったと思います。

入社初日に知った「郵政公社」という現実

合格の通知を受け取ったとき、正直ホッとしたのを覚えています。

“合格”という文字を見て、「これで進路が決まった」と思ったからです。

ですが──入社初日、私を待っていたのは思いもよらぬ事実でした。

「君たちは今日から、郵政“公社”の職員です」

え? 国家試験を受けたんじゃないの? 公務員じゃないの?

…と、頭の中が一瞬真っ白に。

後から知ったのですが、ちょうどその年に郵政省が郵政公社へ移行していたのです。

高校生だった当時の自分は、恥ずかしながらその事実をよく把握していませんでした。

「試験に受かれば安定して働ける」としか思っていなかったんです。

高卒で社会に出て感じたこと

郵便局での仕事は、いわゆる“内務”の中でも窓口業務が主な担当でした。

具体的には──

郵便・貯金・保険の3業種にわたる対応を行う、総合的なカウンター業務です。

毎日、地域の方々と接しながら切手や荷物の受付を行い貯金業務では口座開設や入出金、保険では契約内容の確認や相談など、多岐にわたる内容を担当しました。

当然、すべてが初めてのことばかり。

お客様とのコミュニケーションや事務処理など、社会人としての基本を学ぶ貴重な時間だったと思います。

ただやはり、心のどこかには常に「これは自分が本当にやりたかった仕事なのか?」という疑問がありました。

高校時代から強く抱いていた、

体を動かす仕事がしたい」
現場で人の命や安全を守るような仕事がしたい

という想いは、決して消えることはありませんでした。

早すぎる決断だったのか?

私は1年ほどで、郵政公社を辞める決断をしました。

当時は「たった1年で辞めるなんて何がわかるんだ」と言われることもありましたし、自分自身もそう思う部分はありました。

でも、「決断は早いほうがいい」という考えを持っていたのもまた事実です。

周囲にどう思われようと、自分の中では「このままでは後悔する」という確信がありました。

転職が今ほど当たり前ではなかった時代、まだまだ「一度入った会社は3年は続けろ」という空気が色濃く残っていた中での決断でした。

今でも自信を持って言えること

あの時の判断が正しかったのか──

それは、後から結果が出たからこそ言えることなのかもしれません。

でも少なくとも、自分で選んだ道に納得して生きてきたからこそ、私は自分の人生に満足しています。

やっぱり消防官になりたい

その想いに正直になって動いた結果、私は夢を掴むことができました。

もし、あの時あのまま郵政公社にとどまっていたら?

安定は手に入っていたかもしれません。

でも、本当の意味での自分らしい人生は送れていなかったと思います。

おわりに|“滑り止め”の経験も、人生の糧になる

国家Ⅲ種郵政事務試験──

私にとっては本命ではなかった試験でしたが、その経験があったからこそ気づけたこと踏み出せた一歩がありました。

「滑り止め」や「試験慣れ」といった表現にネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。

でも、どんな経験でも“本気で向き合えば”必ず糧になる。

遠回りに見えたあの一年も、今の自分を形作る大切な時間でした。

これを読んでいるあなたがもし、

「自分の進路がわからない」
「第一志望に受からなかった」

そんな不安を抱えているのなら、焦らなくて大丈夫です

どんな選択にも意味はあるし、そこから本気になれた瞬間に人生は動き出します。

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