「みんなが大学に行くから、なんとなく自分も…」
そんな空気が当たり前に流れていた進学校で、私は“進学しない”という選択をしました。
もちろん最初は、不安も葛藤もありました。
でもあの時、自分の気持ちに正直になれたからこそ、今の自分があると胸を張って言えます。
大学に進みたくなかった理由
私は高校時代、いわゆる進学校に通っていました。
クラスメイトのほとんどが当たり前のように大学を目指す中で、私はどうしても「大学に行きたい」と思えませんでした。
その理由は、長期間の受験勉強に対する抵抗感。
正直に言えば、勉強が好きじゃなかったし机に向かうのが苦痛でした。
そしてもうひとつ。
家計的に私立大学は厳しいという現実もありました。
さらに、当時の自分の学力では国公立も難しい状況でした。
「このままでいいのか」と感じた高校時代
みんなが大学に進学する中で、私は「この道をそのまま進んで本当にいいのか?」と疑問を持ちました。
「大学に入っても、やりたいことが明確じゃない」
「ただ周囲に流されているだけじゃないか?」
そんな思いから、私は“大学進学以外の選択肢”を探し始めます。
公務員試験という道との出会い
そんな時に出会ったのが、『公務員』という進路でした。
特に惹かれたのは、エントリーシートや面接ではなく、筆記試験で評価される仕組み。
就活のように“自分を売り込む”のが苦手な自分にとって、試験で実力勝負できるのは魅力でした。
さらに、公務員試験は民間より試験時期が早く、結果も早く出るため早い段階で進路が決まるのも大きな利点でした。
そしてもうひとつ大きかったのは、『体を動かす仕事』があるということ。
運動が得意で、動いている方が自分らしい。
自然と、警察官や消防士といった職業に惹かれていきました。
消防士を目指す決意
当初は「警察官か消防官か」で迷いもありました。
けれど、自分の性格や人と接する姿を考えた時、人のために汗をかいて働く消防官の方がしっくりきたのです。
最初から「これが天職だ!」という強い確信があったわけではありません。
それでも、「大学に行くよりは自分に合ってる」「試験で勝負できるならやってみたい」と思えた。
これが、私が消防士を目指す第一歩でした。
進学校での孤独と葛藤
もちろん、進学校で「大学に行かない」という選択は異質な存在でした。
何度も「なんで大学行かないの?」と聞かれました。
時には焦りや劣等感も感じました。
「自分だけが取り残されているんじゃないか」
そんな思いが頭をよぎることもありました。
でも最終的に私は、「今の自分に合った道を選ぼう」と割り切ることができました。
そう考えられるようになってからは、心が少しずつ軽くなっていきました。
最初の試験と、悔しい不合格
そうして挑んだ消防官試験。
最初の試験では、面接までは進んだものの不合格。
当時はとても悔しく、落ち込んだのを覚えています。
でも不思議と、「やっぱり消防士になりたい」という想いは消えなかった。
「次こそは」という気持ちが湧き、私は“もう一度挑戦する”ことを決意します。
公務員専門学校で再挑戦へ
そこから私は、公務員専門学校に通うことを決めました。
初めて「本気で夢をつかみにいく」自分に出会った瞬間でした。
もう一度基礎から勉強を見直し、弱点を克服しながら消防士になるための道を進み始めたのです。
おわりに|自分の選択に意味はある
「大学に行きたくなかった」「勉強が嫌だった」
それが消防士を目指すきっかけだったとしても、私はあの選択を間違っていたとは思っていません。
ただ、そこからすぐに夢が叶ったわけではありません。
私は一度、別の公務員として社会に出た後、再び消防士を目指す道を選びました。
それでも、あの時に自分の気持ちに正直でいられたからこそ、遠回りでも夢に近づくことができた。
立派な理由じゃなくてもいい。
「今の自分に合っている」と思えた道を選べたことに意味がある。
そしてどんなきっかけでも、本気になれた瞬間から人は変われると、私は信じています。
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