前回の記事で、「大学に行かず消防士を目指す」と決めた高校時代のことを綴りました。
実はそのあと、私は一度“違う道”に進んでいます。
高校卒業後に受けた消防試験には不合格となり、私は事務系の地方公務員として就職することに。
それでも心の奥ではずっと、「やっぱり消防士になりたい」という想いが消えることはありませんでした。
一度は選んだ「安定した道」
高校卒業後、一度は公務員の事務職として社会人生活をスタートさせました。
周囲から見れば、「安定した道に進んだね」と言われるような選択。
私自身も「まずはやってみよう」と思っての決断でした。
でもどこか心の中では、モヤモヤした気持ちが残っていたんです。
「本当にこのままでいいのか?」「あの夢はこのまま忘れるのか?」──そんな思いが、時間が経つほどに強くなっていきました。
仕事をしながら、少しずつ勉強を再開
仕事の合間や休日を使って、私は再び消防士の試験勉強を始めました。
「独学で受かってやる」と意気込んでいたものの、思うように成績は伸びず、焦りと不安が募るばかり。
それでも、「このまま人生を終えたくない」「夢を追わないまま大人になるのは嫌だ」という気持ちは消えるどころか強まる一方でした。
親への相談──最初は厳しい反応
思い切って、親に「消防士を目指したい」と打ち明けました。
でも返ってきたのは、厳しい現実的な言葉でした。
「今の仕事を始めたばかりなのに辞めるの?」
「最低でも3年は続けてからでも遅くない」
当然の反応だったと思います。
ようやく社会に出たばかりで、いきなり「辞めたい」と言われたら不安になるのは当たり前です。
諦めずに伝え続けた「本気の気持ち」
それでも私は、自分の想いを言葉にして何度も伝えました。
「本気で消防士になりたい」
「今しかチャンスはないと思っている」
そんな話を繰り返す中で、親の表情や言葉にも少しずつ変化が出てきました。
そしてある日、父がこんな風に言ってくれたんです。
「そこまで言うなら、公務員の専門学校に行ってみなさい」
その瞬間、胸が熱くなって涙がこみ上げたのを今でも覚えています。
限られた時間、全力で取り組んだ専門学校生活
こうして私は、思い切って一年で仕事を辞め公務員専門学校へ通う道を選びました。
試験本番までは半年もない短期決戦。
毎日、勉強・体力・面接対策に全力で取り組む日々が始まりました。
一度失敗を経験したからこそ、
「今度こそは必ず合格する」──そんな覚悟が自分の中にありました。
合格通知が届いた日。夢の入り口に立った瞬間
合格発表の日、私は専門学校の仲間と一緒に、パソコンでインターネットの掲示板を開きました。
画面をのぞき込みながら、ゆっくりとスクロールしていく中で、自分の受験番号を見つけた瞬間、思わず息を呑みました。
「……あった。あった!!」
この日までの努力や、くじけそうになった日々、そして支えてくれた家族のことが一気に頭をよぎりました。
「ようやく、夢のスタートラインに立てたんだ」
そんな気持ちが込み上げてきて、自然と笑顔になったのを覚えています。
それは、「合格」という結果以上に、自分自身を信じて進んできた時間が報われたと感じた瞬間でした。
おわりに|遠回りでも、夢は叶う
私は一度、夢をあきらめて別の道に進みました。
けれど、「やっぱり消防士になりたい」という想いを信じて行動したことで、人生が大きく変わりました。
遠回りに見える道でも、自分の気持ちに正直に動けば夢は叶う。
そして、たとえ反対されたとしても、本気の気持ちは必ず伝わることを学びました。
🔥 「夢を追いかける勇気」は、人生を前に進める力になる。
この経験が、今なにかに迷っている誰かの背中を少しでも押せたら嬉しいです。
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